災害の増加で損害がでる可能性が高まっており、損保会社がリスクを引き受けるのが難しくなっている。
それにより企業に十分な損害保険に入れないことへの懸念が広がっている。慶応大の柳瀬典由教授らが実施した調査(2024年度)によると、物件などの損害に備える保険を十分確保できないことを懸念する企業が30%と2023年度調査から5ポイント増えた。(調査対象は上場企業を中心とする120社。売上高5000億円以上の大企業が約半数を占める。)
十分な保険を確保できないことへの懸念を持つ大企業は41%と全体平均よりも11ポイント高かった。保険不足の大企業のうち55%が前年よりも保険の確保が難しくなっていると回答した。
保険不足を懸念するのは5000億円未満の小規模企業でも増えており、21%と前回調査から13ポイント増加した。
柳瀬教授は「保険に入りたくても入れない状況が続けば、自社で資金を備蓄するなど保険以外での損害への備えが必要になる。そのためには、企業がリスク管理への意識を高めていくことが重要」と述べた。