キャプティブについて

キャプティブとは

キャプティブとは、特定の企業や企業グループ等のリスクを専属的に引き受けるために設立される、保険子会社のことです。欧米等、リスクマネジメントに早くから取り組んでいる諸外国では一般的に知られているリスクマネジメント手法であり、広く活用されています。

キャプティブの仕組み

キャプティブと保険会社の間で再保険契約を結び、保険会社から再保険という形でキャプティブに保険を分担します。
損害が生じた場合は、保険を分担した割合に応じて、キャプティブからも保険金を支払います。また、必要に応じて再々保険をかけて、リスクを限定することも可能です。

キャプティブの仕組み

キャプティブの種類

  1. ピュアキャプティブ(シングル・ペアレントキャプティブ)

    単一の企業・企業グループによって出資設立され、親会社のリスクのみを引き受ける純粋保険子会社のことです。 キャプティブのもっとも基本的な形態です。

  2. グループキャプティブ(アソシエーション・キャプティブ)

    類似したリスクを持つ企業・企業グループによって共同出資設立され、その企業・企業グループのリスクを引き受ける保険子会社のことです。

  3. レンタ・キャプティブ

    キャプティブを設立するには、相応の出資金や設立・運営費用等が必要です。
    この費用を抑えるため、あるいは速やかに業務をスタートさせるために、自前でキャプティブを設立せず、第三者が引き受け母体として所有するキャプティブの一部(セル)を借りることにより、キャプティブを所有するのとほぼ同等の機能を享受できる形態があります。

    このように、キャプティブの機能を複数の企業に賃貸することを目的として設立される保険子会社をレンタ・キャプティブと言います。

    近年レンタ・キャプティブの主流を占めているのは保護セルキャプティブと呼ばれる形態です。同じ引き受け母体(スポンサー)傘下の一部のセルが大損害を被って破綻した場合でも、他のセルに影響が波及しないように法的な手段を講じてあるものです。

    レンタ・キャプティブ

キャプティブのメリット

  1. 保険プログラムの最適化とリスクマネジメント体制の強化

    保険会社に任せている保険は、個々のリスクを適切に反映した料率体制・保険プログラムになっているとは言えません。自社の抱えるリスクを洗い出し、自社にとって必要な保険が何かを判断し、保有リスクを可能な範囲で自社保有することにより、無駄をなくしてコストを削減し、自社にとって最適な保険プログラムを構築することが可能になります。

    このようなリスクの洗い出しをする過程で、自社のリスクマネジメント体制を総覧することとなり、リスクマネジメント体制の見直し・強化を図ることが出来ます。

  2. リスクコストの低減

    従業員の努力で損害率を下げれば保険事業収益に還元されるため、企業内でリスク管理意識が高まります。
    安易な保険金請求が抑制されて、リスクマネジメント体制の見直しや強化が図られ、リスクコストの低減に繋がります。

    また、保険会社に任せていて見えなかった、自社の保険料、保有損失、リスクマネジメントにおける費用等が把握できるようになり、リスクコストの管理がしやすくなります。

  3. キャッシュフローの向上

    従来保険会社に支払っていた保険料の一部をキャプティブに入れるため、キャッシュフローが向上します。

  4. 国際的な再保険市場へのアクセス

    キャプティブを通じて海外の再保険会社に再々保険をかけることが可能であるため、以下の利点があります。

    • 特殊リスクへの対応

      国内の保険会社が引き受けないような特殊なリスクを、海外の再々保険会社に出再することにより、特殊リスクのカバーや、既存の担保内容の拡大を図ることが可能となります。

    • 保険料の平準化

      海外保険市場と国内の保険会社との保険料を比較し、現行の保険会社が提示する保険料が適正かどうか判断することが出来ます。それにより、国内保険会社と対等に料率交渉を行ったり、低コストの海外の保険に付保したりすることが出来るようになるため、コストの削減が可能です。

    • グループ全体の補償の統一

      国ごとに保険規制が異なるため、海外に子会社を持つ企業が各々の国で保険を付保すると、補償内容がバラバラであったり、十分なカバー内容の保険を付保出来ていなかったりする場合があります。 キャプティブを通じて、統一的で経済合理性のある保険プログラムを構築することが可能になります。

設立実績

日本ではキャプティブに関する法制度が整っていないため、主としてキャプティブ・ドミサイルと呼ばれる、キャプティブ法制度が整っている国や地域に設立されます。ドミサイルには、柔軟な法制度や優遇措置、キャプティブ運営を支援するインフラが整備されています。

  • ハワイ
  • バミューダ
  • ミクロネシア連邦
  • ラブアン

当社では、日本の企業にとってニーズの高いキャプティブ設立地である、ミクロネシア連邦、バミューダ、ハワイ等でのキャプティブ設立のサポートが可能です。特にミクロネシア連邦は歴史的に日本と深い関わりを持つ親日国であり、キャプティブ誘致を日本企業に特化しているため、日本の制度に即したキャプティブ政策を展開しています。当社はミクロネシア連邦で2000年よりキャプティブを設立しており、ミクロネシア連邦政府との強い協力関係を持っております。 

設立 16件
組織変更 11件
運営 24件
最新情報のご提供

海外で開催されるリスクマネジメント、及びキャプティブ関係のフォーラム、カンファレンスに参加し、世界の最新情報をいち早くお客様にご提供致します。

キャプティブについて